子ども読書活動推進フォーラムを開催しました!

 平成29年12月9日(土)の午後、県立図書館のお隣、県立青少年センターで子ども読書活動推進フォーラムを開催しました。このフォーラムは、子どもの読書の大切さについて理解を深め、県内の優れた読書推進の取り組みをみなさんに知っていただくことを目的に、平成16年度より開催しています。
 今回は、詩人で絵詞(えことば)作家の内田麟太郎さんによる講演「わた詩の絵本」、横浜市立西本郷中学校の生徒さんによるビブリオバトル、座間おはなし会のみなさんによるすばなし「ゆきんこ」「さんねん峠」と手遊び「大工のきつつきさん」というプログラムでした。
 内田麟太郎さんは、絵本のテキストを創作されるので「絵詞作家」を自称し、長新太さん、西村繁男さん、長野ヒデ子さん、降矢ななさんほか多様な作家と組んでたくさんの魅力的な絵本を生み出されています。絵本だけでなく、児童よみもの、詩集などの作品もあります。
 第1部の内田さんの講演では、福岡県大牟田市から上京して看板職人の仕事をしていた時に、乗っていた梯子が倒れて腰椎圧迫骨折をしたことが、絵詞作家となったきっかけで、最初の絵本『さかさまライオン』で絵を描いてもらった長新太さんからたくさんのことを学んだと話されました。『ぽっかりつきがでましたら』は好きな詩人である中原中也の詩からヒントを得たこと、『うそつきのつき』は「日本で一番バカバカしい本を書こう」と思って書いたら、思いがけず受賞したこと、『ともだちや』では、「明日も来ていい?」と尋ねた時「うん」ではなく「明後日も!」と言ってくれるともだちを描いたことなど、様々な作品を取り上げて、絵本の画像を映し、ご自身の朗読を交えながら、作品の誕生にまつわる味わい深いお話をしてくださいました。こんなふうにして、思わず「ぷっ」となる絵本や、詩のように美しい余韻を残す絵本が生まれてくるんだなあと、貴重な創作の秘密をのぞかせていただいた気分になりました。内田さん独特の間と意表を突くジョークに、会場は終始楽しい笑いに包まれ、「内田さんのユーモアあふれる温かいお人柄に触れ、ますます作品が好きになった」「ずっとお話を聴いていたかった」など、参加者からも大好評でした。
 第2部の実演・事例発表では、まず、横浜市立西本郷中学校の先生から、工夫を凝らした様々な読書推進の取り組みが紹介され、その後、中学1、2年の生徒4名によるビブリオバトルが実演されました。中学生が3分間をフル活用して自分の言葉でしっかりと本の魅力を伝え、内容のおもしろさはもちろんのこと、3分タイマーが「0:00」になる瞬間に話し終わる絶妙さはまるで名人芸のようで、その見事さに会場から感嘆の声が上がっていました。紹介された4冊は『名作転生』『国境なき医師団を見に行く』『昔話法廷』『コーヒーが冷めないうちに』で、最後に参加者の投票により『昔話法廷』がチャンプ本となりました。
 次に、座間おはなし会から、会の歴史と活動が紹介されました。続くすばなしでは、舞台の中央に立った語り手がよく通る声で情感豊かに語り、参加者はおはなしの世界に引き込まれていました。語りだけで情景が目に浮かぶすばなしの素晴らしさを存分に味わい、どの顔も満ち足りた表情でした。手遊びは、9人のメンバーにより舞台いっぱいに繰り広げられ、会場もいっしょになって楽しくからだを動かしました。
 こうして、和やかにフォーラムを締めくくることができました。晴れて寒い日でしたが、学校、図書館、幼稚園・保育園関係の方や、読み聞かせなどの活動をしているボランティア、親子連れの方など、300人を超える方々にご参加いただき、このようなフォーラムを来年も続けてほしいとの要望も複数いただきました。
 お忙しい中、快くご講演くださった内田麟太郎さん、大きな会場で臆することなく堂々と実演してくださった西本郷中学校のみなさん、会発足以来34年の鍛練の成果とも言える力量を惜しみなく発揮してくださった座間おはなし会のみなさん、そしてご参加くださったみなさん、関係者のみなさん、ありがとうございました。

(県立図書館 子ども読書活動推進フォーラム担当)