平成29年度 文字・活字文化の日記念講演を開催しました

 10月28日(土)、毎年恒例となりました「文字・活字文化の日記念講演」を開催いたしました。毎年、文字や活字に興味を持っていただけそうなテーマで講演会を行うのですが、今年はオビをテーマにいたしました。
 オビとは、本の表紙や外箱にまかれていて、本の内容の紹介や推薦文が書かれている細長い紙のことで、腰帯とか腰巻、帯紙ともよばれています。そう説明すると「ああ、あれね」と皆さまご存じかと思いますが、これまでオビをテーマにまとまって書かれた本はありませんでした。そのオビを中心に据えた「オビから読むブックガイド」を2016年に出版された、本のオビ研究会・主催の竹内勝巳氏に「オビからはじまる読書の愉しみ」と題して、ご講演をいただきました。
 オビは本そのものではない、スピン同様付属品ではあるけれども、すごい力を持っている、というお話にはじまり、本屋さんで本を選ぶ時、平置きの本を眺める際に、オビ、装画(カバー)、タイトルの3点を同時に見ており、その中で一番大きな役割を果たしているのがオビなのだ、というお話から、オビは標準6cmという狭い空間の中で、デザインやキャッチコピーを駆使して、本を買ってもらえるようプレゼンテーションしている、その本にとって代替の利かないオンリーワンなのだ、というご説明がありました。斜めにカットされているオビや、カバーを折り曲げてオビにしてあるものなど、珍しい例も示していただきました。
 その後、お持ちいただいた多数の本やオビを使って、オビによって本の魅力が引き立つ様を、本の内容や重版状況等に触れながら具体的にお示しいただきました。本当にたくさんの例を見せて頂いたのですが、ここでは一つだけご紹介します。第38回文藝賞受賞作である『インストール』(綿矢りさ著 河出書房新社 2001年)ですが、最初に出た時には「文藝賞受賞!」のオビがかかっていたものが、売り上げが伸びて「ベストセラー!」やがて映画化が決まると「映画化決定!」という風に、1冊の本が増刷されるごとにオビが進化していたのだそうです。
 参加者は講演に引き込まれて、大変熱心に聞き入っていました。アンケート記載内容を見ても、オビの魅力に開眼された様子がうかがえました。
 会場には、当館で最近受け入れした本のオビを展示しましたが、こちらも興味深くご覧いただけたようでした。

(県立図書館図書課:文字・活字文化の日記念講演担当)