『日本の名橋完全名鑑』 日本橋梁建設協会著

『日本の名橋完全名鑑』 日本橋梁建設協会著 廣済堂出版 2013 81556607 請求記号:515/65  OPAC(所蔵検索)

 みなさんは、橋が造られたきっかけをご存知ですか?
 もともと橋という発想は、人々の生活にはなかったそうです。橋が造られる前には、川の中を横断するか、渡りやすいところを遠回りして過ごしていたようです。ところがある日、嵐が吹き荒れたあとに川へ行ってみると、川岸の木が倒れて川をまたいでいるのを見つけ、そこで濡れることなく楽々と川を渡れることに気が付いたそうです。これが橋の始まりではないかと考えられています。自然が作り上げた偶然で、人々は橋というものを学んでいきました。以来、人々は橋のありがたみを知って、たくさんの橋を造り利用していくようになったといいます。日本の記録では、4世紀に橋があったことを『日本書紀』が伝えており、約1600年経った現在、日本中のどこでも橋を見ることができます。
 そんな成り立ちを知ると、日常で今まで何気なく目にしてきた橋も、いつもとは違った角度から見ることができるのではないでしょうか。
 また、今では日本国内に15万以上架けられているという橋は全て、ひとつとして同じものはないというのですから驚きです。構造だけでも、桁橋、ラーメン橋、トラス橋、アーチ橋、斜張橋、吊橋と6種類にも分かれています。
 本書では、こうした橋の基礎知識はもちろん、橋の名称、所在地、所在ルート、用途、形式、完成年、橋長、幅員、更に詳細な概要データまでを200以上の橋それぞれ全てカラー写真と共に紹介しています。
 例えば、神奈川県の橋、というと私は真っ先に横浜市鶴見区の「横浜ベイブリッジ」を思い浮かべてしまいますが、同鶴見区にある「鶴見つばさ橋」の方が主塔の高さと全長をしのいでいるということをこの概要から知り、今「鶴見つばさ橋」を実際に見に行きたくて仕方がありません。
 このように、概要データでは、名称の由来や別称から、美しい景観のポイントまで様々な解説があり、思わずその橋を見に行きたくなってしまうような衝動に駆られます。また、実際にその橋を訪れているかのような楽しい気分で読むこともできます。
 こうして、写真や解説を見るだけでも楽しい本書ですが、北海道・東北、関東・甲信越など、地方ごとにまとめて分けられているので、お目当ての橋も探しやすく、観光のお供にも役立つはずです。表紙に書かれた、「ありとあらゆる橋のことがこの1冊でわかる!」という言葉に偽りのない充実の1冊です。

(県立川崎図書館:フルカラーの本が好き)