県民公開講座 ビジネス支援講座「ゆるりと起業-住み開き・既存店活用の事例に学ぶ-」を開催しました。

「事業を始めてみたいけど、自分にも出来るだろうか・・・?」起業を考える際に、このような気持ちを抱く方も少なくないのではないでしょうか。実は、起業した方の中には、週1回だけの事業や、自宅の一部を開放する等、無理なく事業をスタートさせた方もいらっしゃいます。ゆるやかな起業の方法を伺いながら、地域貢献や働き方について考える講座を、9月30日に当館で、公益社団法人けいしん神奈川と共同で開催しました。
  最初に、「住み開きCafé ハートフル・ポート」の代表・五味真紀さんにご登壇いただきました。五味さんは、義理のお母様の介護・看取りを通し、ご自身の今後の生き方を真剣に考えたそうです。その中で「住み開く」という言葉に出合ったことがきっかけとなり、ご自宅1階の空き室をリフォームしてカフェを開業しました。料理自慢のスタッフがランチを提供したところ、口コミで広がり、オープンから3年で約1万人が来店する人気のお店となったそうです。五味さんは、人をつなぐ場、夢が実現できる場、学び合いの場など、様々な想いを受け入れる入口としてのカフェを目指しています。「ハートフル・ポート」では、日々たくさんのイベントが企画され、イベントだけではなく、昨年は多世代が一緒にご飯を食べる『みなと食堂』を、今年は認知症カフェ『みなとの茶店』を地域の人が主体となってスタートしました。
 続いて、「すきま食堂 ごはん屋MOGU」の代表・中川陽子さんにご登壇いただきました。中川さんは難病罹患の経験から、今後の人生について「どう生きるか」「何をしたいのか」を自問し、以前から問題意識を持っていた地域の中・高校生の孤食や不規則な食事に焦点を当てた事業を考えたそうです。育児を通して知り合ったメンバーで週1回、既存店の定休日を利用して「ごはん屋」を開業しました。昼食、夕食を提供し、部活や塾の前・終了後の子どもたちはもちろん、親子での食事や、仕事帰りの単身サラリーマンにも栄養バランスの良い食事を提供しています。5人のスタッフは普段、それぞれ職業を持っていて、「MOGU」の開店日に集まり、それぞれの専門性を生かした活動を行っています。講座の行われた当日も、夕方から野外映画上映会を企画されていて、「MOGU」を通し、地域の人が生き生きと活躍できる場を生み出しています。
 講座では、コーディネーターの為崎緑さん(中小企業診断士・けいしん神奈川会員)による丁寧な解説と進行により、地域資源を活用した事業興しのポイントを教わりました。ワークシートに加えて、講師の方との質疑応答・意見交換を通し、参加者の方が既にお持ちの経験・技術や地域とのつながり等の資源(強み)を活かし、不足している資源(弱み)を補完する術を学びました。
 「最初から完璧を求めるのではなく、不完全な部分があるからこそ長く続けられる」という講師の方の言葉は、新たな一歩を踏み出そうとしている人たちへの力強いエールになったことと思います。今回の講座が、そのきっかけになることが出来ましたなら幸いです。

(県立図書館 調査閲覧課 ビジネス支援講座担当)