県職員生活を振り返って

 2017年3月、県立の図書館を退職する司書は4人います。「県立の図書館に一番長く勤務している人」へと執筆依頼があり、就職当時に思いを馳せ、書き始めました。しばし、昔話にお付き合いください。
 1978年4月、県庁で辞令を頂き、車で迎えに来てくださった事務の方に連れられて着いた先は、藁葺き屋根の残る川崎市多摩区(現在は麻生区)の県立高校でした。『子どもの頃、授業では「川崎は公害の町」と習ったのに、藁葺き屋根?ここは一体どこ?』と衝撃を受けました。私の就職1日目は、こんな思いから始まりました。
 新設3年目の学校は、先生方も若く、同年代の方々と楽しくお仕事ができました。しかし、図書室で司書1人、日々仕事をしていると徐々に『これでよいのか?このやり方でよいのか?』不安に・・・。
 そこで、同業種の司書がいる県立の図書館への異動を希望しました。配属されたのは、県立川崎図書館です。16年の勤務で、一通り公共図書館の業務を経験することができました。私には、1人職場の学校より司書の先輩方、仲間がいる環境は心強かったです。
 16年間で特に印象深いのは、コンピュータの導入です。川崎図書館は、理工系の資料収集に力を入れていますので、データベースの導入もいち早く実施されました。コマンド入力で検索をするのは、ちょっと緊張したことを思い出します。また、目録カードの管理からコンピュータの管理への移行も経験しました。
 遡及入力は外注で行われましたが、入力データの確認は、全職員で実施しました。紙面上にタグ付けされた入力項目が正しいかを確認する作業です。例えば著者のヨミ、出版社のヨミは合っているか、分かち書きはどうかなどを確認していきました。
 いよいよ、1990年4月、システムの稼動です。
 まずは書名を入力し、整理したい本の書誌を探します。ところが、待てど暮せど応答がありません。あまりの遅さにイライラし、画面が開くまでの時間を計ったりしました。2、3分は掛かったのではないでしょうか。こんな調子でしたから、コンピュータ導入時は、1冊の本を登録するのに10分近くかかっていたように思います。今では考えられないのではないでしょうか。-昔話終了-
 さて、その後の職員生活は、1999年6月県立図書館閲覧課。2002年4月県立川崎図書館。2015年6月県立図書館に異動。そして、2017年3月退職です。学校に5年間、県立川崎図書館に29年間、県立図書館には、約5年間の勤務でした。長い間、お世話になりました。同時代、神奈川の地で一緒に仕事をさせていただいた皆様に感謝いたします。ありがとうございました。

(県立図書館職員)