世界遺産登録記念講演会「図書館建築の歴史と未来を語り合う」を開催しました

 心配された雨もあがり、小春日和となった日曜日、11月20日に「図書館建築の歴史と未来を語り合う~ル・コルビュジエ、前川國男、鬼頭梓、武蔵野プレイス、そして~」と題して講演会を開催しました。これは、当館の設計者前川國男が師事したル・コルビュジエの建築作品が世界遺産に登録されたことを記念して開催したもので、併せて建築見学会や関連上映会も行いました。

 講演会では、前川建築を知り尽くした松隈京都工芸繊維大学教授、「武蔵野プレイス」設計者のkwhgアーキテクツ川原田・比嘉両氏を講師にお迎えし、前川國男の名建築のひとつ「神奈川県立図書館」を図書館建築の歴史と共に語っていただきました。近代建築の巨匠ル・コルビュジエ、その弟子の前川國男と、鬼頭梓の手掛けた公共建築・図書館建築、新しいタイプの図書館複合施設である武蔵野プレイスの特色などの説明を通して、図書館建築の思想、これからの図書館建築のあり方について、民主主義との関連という原点にまでさかのぼって熱く語り合う講演会となりました。建築に関心のある方、図書館に関心のある方など幅広い年齢層の多くの方々が熱心に耳を傾け、充実した会となりました。青森県弘前市の近代建築ツーリズム(前川建築)に関連して、東奥日報の記者さんも取材のため参加されました。

 講演会後に4つのグループに分かれて、紅葉ケ丘文化ゾーンの前川國男ゆかりの3館(図書館本館・音楽堂・青少年センター)の建築見学会を行いました。青少年センターのご協力で、ふだんは入れない屋上にも上がり、そこからの紅葉ケ丘文化ゾーンの一望には感嘆の声があがりました。見学の参考にお配りしたリーフレットは松隈研究室大学院生の力作で、大好評でした。

 講演会に先立って同会場で行った関連上映会では、荒地に図書館・音楽堂が建ちあがっていく過程を大成建設が記録した映像や、青少年センターの開館式のニュース映像、近代美術館鎌倉館の落成時の映像を上映しました。音声のない大成建設制作の映像上映時に、職員による朗読(図書館・音楽堂落成開館式パンフレット掲載の内山岩太郎神奈川県知事のあいさつ文など)や、映像の解説も行いました。

 会場内や入口あたりに、音楽堂からお借りしたホローブリックの現物、開館当初の様子がうかがえる図書館の写真ファイル、ル・コルビュジエが前川建築事務所を訪ねた時の様子などの写真パネルや資料を展示しました。写真パネルは、当日だけではもったいない、との声が寄せられ、急きょ本館会議室前に移して展示を続けました。イベント終了後も展示に関するお問い合わせをいただくなど関心を持っていただけた様子がうかがえ、担当職員一同とてもうれしかったです。
 紅葉ケ丘文化ゾーンや県立図書館の魅力をさまざまに楽しんでいただけたにぎやかな一日となりました。調べ物や研究、本を楽しみにご来館いただくことはもちろん、図書館建築から新たな魅力を感じに、ぜひ当館にいらしてください。

(県立図書館企画協力課 広報会議事務局)