大山関連講座「早わかり大山街道」を開催しました

 去る11月19日(土)に大山関連講座「早わかり大山街道」を開催しました。この講座は、今年4月に「江戸庶民の信仰と行楽の地 ~巨大な木太刀を担いで『大山詣(おおやままい)り』~」のストーリーが日本遺産に認定されたことを受け、この講座は「祝!!日本遺産認定事業」として、文字・活字文化の日記念講演「『大山不動霊験記』にみる大山信仰の諸相」に続く、記念講演第2弾として開催しました。実は講師の中平龍二郎氏には昨年度の図書館カレッジ「大山道の歴史を探る」を4回連続でお願いしました。今回はその4回分の内容を1回にまとめたお話です。昨年度もとても好評でしたが、今回も定員50名のところ156名の応募がありました。

 大山街道とは、江戸・赤坂御門から大山詣りに向かう信仰の道のことです。東海道の脇道の矢倉沢往還と大部分が重なります。西から江戸へ特産物などを運ぶ道だった矢倉沢往還が、元禄時代に大山参りが盛んになると整備されました。宝永大噴火や荏田宿(えだじゅく)の二度に及ぶ火事などのたびに変遷しているので、年代と場所を確認しながらのお話でした。
中平龍二郎氏は長年出版社で地図の編集をしてきた経験を活かし、現在の地図と明治時代の迅速測図や古地図を比較・検討したそうです。講演時も地図を示しながら、実際に大山街道を歩いて集めた情報も含め、大山街道の歴史・時代背景・参考にした文献・自身の推論等、興味深いお話が次から次へと続きました。
 関東各地から大山へと続く大山道と呼ばれている道についてのお話もありました。徳川家康の慶長の改革により下山させられた修験者が、御師(おし)として関東各地に大山講を形成し、檀家が大山詣りをするための道が形成されていったそうです。その他、なぜ秦野の特産品は葉タバコ・落花生なのか、渡辺崋山の「游相日記」は当時のことが詳しく書かれているので参考になる、残っている道標をよく見ると自分の宿場を利用してもらうために誘導した形跡がある、など多岐にわたる内容でした。

 内容が盛りだくさんだったので、講演だけで終了時間となってしまい、参加者から質問を受ける時間がなかったのが残念です。先生の著書『ホントに歩く大山街道』(中平龍二郎著 風人社 2007年 資料番号:60499480  請求記号:K291/736)、『キャーッ!大山街道!!』  (中平龍二郎著 風人社  2011年 資料番号:60587557 請求記号:K291/760)は、かながわ資料/新聞・雑誌室にありますので参考にしてください。また、当館のホームページにある神奈川県郷土資料アーカイブ「相州大山」もぜひご覧ください。

(県立図書館 調査閲覧課 大山関連講座担当)