「専門家に資料を学ぶ」(機械)の研修報告

 県立川崎図書館では、年1回「専門家に資料を学ぶ」という職員研修を実施しています。
 この研修では、当館の蔵書や専門分野の資料について専門家の視点から評価やアドバイスをしていただいております。
 今回は7回目で、10月13日(木)の館内整理日に行われました。テーマは「機械」です。
 講師は、神奈川県産業技術センター 機械・材料技術部 副部長の小島隆氏にお願いしました。
 産業技術センターは、県内中小企業を対象に技術相談や技術支援、情報提供などを行っている機関です。

 機械工学は、”ものづくり”のための技術です。
 『機械工学便覧』は、α(赤)、β(青)、γ(緑)と分かれています。これは「理論」・「プロセス」・「応用」と色分けされていることを教えていただきました。「理論」の中の「材料力学」「流体力学」「熱力学」「機械力学」は、4力(よんりき)と呼ばれ、機械工学の基礎学問となるそうです。
 小島氏は学生時代に材料力学を専門に学び、岩石の破壊力学を研究されていたそうです。破壊力学とは、第二次世界大戦中に材料の強度のみを考えて造った戦艦が、真っ二つに割れてしまったことを端緒とする、亀裂についての研究から生まれた学問です。

 実際に企業や現場で役立つような「ねじ」「NC加工」「精密研磨」などの図書、材料や検査関係の雑誌を当館所蔵のものから選んで紹介していただきました。日本の規格JISや海外規格ASTM・ISOなどもよく使われるそうで、普段聞き慣れている言葉に聴講していた職員たちは嬉しくなりました。
 そして、機械工学にとっての「数学」は英語の辞書のような感覚なのだそうです。自然科学・工学・社会科学・生物学などの分野で利用される数学のことを「応用数学」と言います。

 小島氏の一押し本として、『鉄鋼・高強度に挑む』、世界的名著と言われる『材料強度学
―強度・破壊および疲労-』
、学生時代からのバイブル『線形破壊力学入門』『破壊力学の基礎』などの本を紹介していただきました。『材料強度学』は県立図書館の所蔵で、それ以外は当館の書庫内にあります。ご覧になりたい場合はカウンターまでお願いします。

 文系の職員がほとんどですが、わかりやすく説明していただき、後半の質問時間には多くの質問が出ました。機械工学での新しい応用分野を教えて欲しい、という質問がありました。スポーツや医療・福祉分野の生体工学で、大学では機械工学の必須科目となっているそうです。また、神奈川県でも先端的な研究が進められています。雑誌購入担当者からは、雑誌の使い方を伺いました。小島氏は外国語の論文も利用することが多く、インターネットを活用する機会も増えているそうです。最近は、日本の研究者も洋雑誌に投稿することが多いとも聞きました。

 今回伺ったことを参考に、更に皆さまに使って頂ける図書館を目指して、職員一同努力してまいります。

 過去に県立川崎図書館で行われた「専門家に資料を学ぶ」はこちらをご覧ください。

 参考図書:『機械工学便覧;基礎編 α1』『数学小辞典』

(県立川崎図書館職員:銀杏が好きです)