「昔の本や地図、レコードを知ろう!さわってみよう!」イベント後記

 夏休みが始まったばかりの7月28日。図書館の書庫に保管されている昔の資料を実見・体感するイベント「昔の本や地図、レコードを知ろう!さわってみよう!」が行われました。 
 好天の暑い日でしたが、小学3年生から中高生、保護者の方まで、15名にご参加いただきました。まずは、スライドで本の成り立ちや保存の大切さ、貴重な資料の扱い方などを見ていただきました。

《昔の本にさわってみよう!》
 紙が発明される前は、粘土板や木簡に文字が書かれていましたが、その後紙が発明され、利便性が高まりました。今回は巻物から見ていただきました。巻物は読んだ部分を巻き取りながら読み進めていきます。そのため、常に巻頭から読み進まなければならず少し不便でした。みなさんにも巻き取りを体験していただき、紙を傷めないよう均等に巻き取るのは意外と難しい事を実感してもらえたようでした。
 次に、巻物を折りたたんだ折本が作られます。折本の発明により、読みたい箇所から目を通すことが出来るようになり、現在の本の形に近づきました。
 江戸時代に版本(木の板に文字や絵を彫って印刷したもの)の技術が進み、より多く本が流通するようになります。『解體新書(かいたいしんしょ)』や『當世八犬傳(とうせいはっけんでん)』など、江戸時代に刊行された和装本の実物をご覧いただきました。
 その後、活版印刷の技術が進み、紙も和紙から洋紙へと変わっていきます。
 戦時中に戦意高揚を目的に作られた本や紙芝居は、敗戦後GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)により焚書となるはずでしたが、資料保存を重んじた多くの人の手により、一部現物が残されています。戦時中は材料が不足していたため紙の質が悪く保存が難しいのですが、後世に残すべく中性紙のケースに入れて保存しています。戦前、戦後の紙質の違いを、実際に触って確かめました。
 雑誌「暮らしの手帖」は、朝ドラで取り上げられた「とと姉ちゃん」の人気と相まって、みなさん興味津々のようでした。

《昔の地図にさわってみよう!》
 刻々と変化する地形を写し取る地図は、歴史を知る上で欠かせない資料です。
 今回は、みなとみらいの変遷を多くの地図で見ていただきました。増殖するように埋め立てられていく港、高速道路や横浜ベイブリッジなど、変化する地形が一目で分かります。
 その他にも鳥瞰図や、住宅地図などもご紹介しました。住宅地図を見ながら、自宅や学校を一生懸命探している方もいらっしゃいました。

《昔のレコードにさわってみよう!》
 県立図書館では、できるだけ長く資料を保存し、次代へつなげる事も仕事のひとつです。そのため、時代を色濃く映した資料がそのままの形で保存されていたりします。なかでもレコードは、見たことも触ったこともないという参加者が多く、月日の流れを感じました。
 CD、音楽配信と提供する形が変わった現在でも、レコードは一定の人気があり、当館では年間約900枚のレコードが貸出されています。
 今回はジャズの名盤や発禁騒動のあったレコードの他に、雑誌の付録として配布されたソノシートを聴いていただきました。ソノシートは、通常のレコードよりも薄く安価に生産できたため、当時は付録や配布用によく使われていました。加山雄三さんが淡々と幼い頃の思い出を語る内容に、今ほど自由に音楽や情報が手に入らなかった時代を垣間見る事ができます。A面とB面があった事を知らない子どもたちはどう感じたか、気になるところです。

 アンケート結果を一部ご紹介します。
「教科書でしか見たことのない様な貴重な物を実際に目にして、手に取れてよかったです。」
「今では味わえない昔の物ならではの魅力が分かった。今の物は便利だからこそ少し不便な昔のものがよいのだと感じました。」
「貴重な資料に触れることができて楽しかったです。横浜や神奈川を資料の中に感じることができました。」 
「昔の色んなものすごい」
 担当一同、来年はさらに多くの方々に体験していただけるよう準備していきます。

(県立図書館:初めて自分で買ったレコードはカルチャークラブ)