レコード鑑賞会「名スピーカー・タンノイで寿(ことほ)ぐ「歓喜の歌」」を開催しました!

レコード鑑賞会 年の瀬の押し迫った2014年12月20日(土)、レコード鑑賞会「名スピーカー・タンノイで寿(ことほ)ぐ「歓喜の歌」」を開催しました。
 日本で一年の最後を締めくくる音楽といえば、ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調Op.125《合唱》です。年末になると全国各地でさまざまなオーケストラにより《第九》の演奏会が開かれています。このような状況は、1937年に来日し、新交響楽団(現NHK交響楽団)の常任指揮者を務めたジョセフ・ローゼンシュトック氏が、ドイツでは大晦日に《第九》を演奏する習慣があると紹介したころから始まったといわれています。今年度2回目のレコード鑑賞会は12月に開催。それならばぜひ《第九》を取り上げようということになりました。
 《第九》の録音は数多くありますが、今回はその中から、1951年にバイロイト音楽祭でフルトヴェングラーが指揮をした演奏を取り上げることにしました。《第九》の不朽の名盤として語り継がれているものです。バイロイト音楽祭とはワーグナーが1876年に始めた音楽祭です。自らの作品の理想的な上演を求めたワーグナーは、バイエルン王ルートヴィヒ2世の援助を受けてバイロイトに専用の劇場を建て、そこに各地から演奏家を集めて音楽祭を開催したのです。したがって、もちろんワーグナーの作品を上演することが目的となる音楽祭なのですが、その第1回バイロイト音楽祭開幕記念で、ワーグナー自身が指揮をしたのがベートーヴェンの《第九》でした。そして第二次世界大戦後の1951年、中止されていた音楽祭の再開を告げたのは、今回取り上げたフルトヴェングラー指揮による《第九》だったのです。シラーの詩を引用した独唱・合唱が加わって人類の平和、自然への賛美、神の栄光を讃えながら壮大に閉じられるベートーヴェンの集大成というべき《第九》。ベートーヴェンが《第九》に込めたものを、記念すべきこの演奏会でフルトヴェングラーはどう表現したのか。第1楽章から第4楽章まで通してじっくりと耳を傾けました。

タンノイ

スピーカー”タンノイ”

 また、フルトヴェングラーといえば彼が常任指揮者を務めたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団です。第二次世界大戦中の1942年3月に録音された、フルトヴェングラーとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンビによる演奏も紹介しました。刻々と戦況が悪化し連合軍の爆撃機がベルリンを空襲する中、ドイツ国内にとどまり続けたフルトヴェングラー。彼の《第九》の録音の中でも最も壮絶といわれているものです。時間の関係上、最後を締めくくる第4楽章のみの紹介でしたが、戦後のバイロイト音楽祭での演奏と聴き比べてみました。
 鑑賞会に参加された方々は造詣が非常に深く、実際に合唱団の一員として長年《第九》を歌っていらっしゃるという方からは、「フルトヴェングラーの時代にはもう現代ドイツ語の発音で歌っているんだねえ。日本では最近まで古語の発音で歌っていたんだよ。」という言葉も。会話の端々で披露されるみなさまの知識には脱帽するばかりでした。
 レコードの温かみのある音と共に過ごす、ゆったりとした一時。忙しない年末にいかがでしたでしょうか。参加してくださったみなさま、ありがとうございました。

過去に鑑賞会で配布したプログラムの一部をホームページ上で公開しています。ご興味のある方はそちらもご覧ください。

県立図書館で開催される講座についてはこちらをご覧ください。

 (県立図書館職員:レコード鑑賞会担当)