「DVD上映会 人間国宝ふたり」

DVD上映会「人間国宝ふたり」 12月10日(水)に、人形浄瑠璃文楽のDVD上映会「人間国宝ふたり」を開催しました。12月の忙しい時期にもかかわらずたくさんの人にご参加いただきました。今回の上映会を企画したときには、思いもよらなかったのですが、人間国宝の1人竹本住太夫(タケモト スミタユウ)氏は、2014年11月に文化勲章を授与されていたので、良い時期に上映することができました。
 当日は、まず人形遣い吉田玉男(ヨシダ タマオ)氏と義太夫語り竹本住大夫が2000年11月に共演した舞台「心中天網島」(シンジュウテンノアミジマ)の稽古、舞台裏を取材したドキュメンタリー「人間国宝ふたり文楽・終わりなき芸の道」をご覧いただきました。吉田玉男氏は、年を取って体力がなくなり10キロある人形の頭が演じている最中に下がっていないか、弟子に確認しています。人間国宝の名人でも、年齢の影響を受けざるをえないことがわかります。その一方で、義太夫の声は、50歳で1人前と言われるように、年齢を重ねるごとに味が出てくるものもあります。竹本住大夫氏は人間国宝になってからも引退した兄弟子である竹本越路大夫(タケモト コシジダユウ)氏に、稽古をつけてもらいに出かけています。越路大夫氏は、引退する時に「文楽の修業は一生では足りない。二生ほしかった。」と言った人です。70歳を超えて稽古を続ける住大夫氏の姿に芸の道の厳しさを感じました。
DVD上映会「人間国宝ふたり」 次に、吉田玉男と竹本住大夫が大阪・国立文楽劇場で共演した「文楽 心中天網島 北新地河庄の段」の舞台を見ていただきました。「心中天網島」は大坂網島大長寺の心中事件を脚色した、近松門左衛門の傑作のひとつです。1720年大坂竹本座で初演されました。全三巻(河庄、紙屋内、大和屋前~道行~大長寺)のうち、河庄の段は上巻に当たります。
 文楽の舞台に慣れてくるまでは、現代とは違う言葉が聞き取りにくかったり、人形を動かす人が気になってしまいましたが、徐々に舞台に集中できるようになりました。三人で動かす人形の繊細な動きや情感、1人で複数の人間のセリフを演じ分ける義太夫の語りを楽しんでいただけたことと思います。舞台は100分と長かったのですが、ほとんどの方は最後までご覧になっていました。
 県立図書館では今回上映したDVDのほかにも、「妹背山婦女庭訓」(イモセヤマオンナテイキン)(リンクは全4巻のVol.1)や「義経千本桜」(ヨシツネセンボンザクラ)(リンクは全4巻のうちVol.1)等の文楽の舞台のDVDを所蔵しています。これらのDVDは貸出できませんが、視聴覚資料室のブースで視聴することができます。また、吉田玉男著の「人形有情」竹本 住大夫著の「なほになほなほ」等の今回共演した二人に関連する図書も所蔵しています。こちらの図書は貸出できます。興味を持った方はぜひご利用ください。
 次回のDVD上映会は、2月4日(水)「仏像の歴史」「密教のほとけ」を予定しております。そちらの方もご参加お待ち申し上げております。

(県立図書館職員 DVD上映会担当)