コレクション紹介展示 第1弾 「ベストセラーズ文庫」

展示_BS文庫 神奈川県立図書館は2014年、開館60周年をむかえます。60周年を記念した「コレクション紹介シリーズ」展示の第1弾として、2月14日より「ベストセラーズ文庫」をご紹介しています。
  「ベストセラーズ文庫」は、明治以後の日本で発行され、ベストセラーになった本の特別コレクションです。1966年の秋、当館と神奈川県図書館協会の共催で「明治大正昭和 本のベストセラーズ展」を開催したときに、展示用に古書店を通じ入手した本を核として、以来50年あまり、継続してその年のベストセラーを購入、今では1800冊を超えるコレクションです。できるだけベストセラーの原形を残すために、近年のものは本の箱やジャケット、さらに帯までもそのまま保存しています。各時代の特色を示すベストセラー群は、世俗・風俗・文化の推移を知る上で貴重な資料であるといえるでしょう。
 今回の展示では、普段手に取られることの少ない古い資料を中心にご紹介していますが、中でもおすすめは夏目漱石のデビュー作、『吾輩ハ猫デアル』です。正岡子規と親交の深かった漱石は、子規を通じて高浜虚子・河東碧梧桐ら「ホトトギス」同人とも親しくなり、その虚子に勧められて「ホトトギス」に掲載したのが『吾輩ハ猫デアル』でした。はじめは読み切り1話の予定が、大好評で連載され、11編の長編小説となりました。上・中・下3巻組の表紙はいずれも猫があしらわれ、100年以上も前の本とは思えない、古さを感じないデザインです。挿絵は漱石と親しかった画家、中村不折によるもので、上巻最初の挿絵は尻尾を掴まれた猫の影絵。一見の価値ありです。
展示_BS文庫2 今回の展示でご紹介できたのはベストセラーズ文庫のごく一部です。他の資料を閲覧したい方は、『ベストセラーズ文庫目録』(請求記号029.21/ 4)をご覧の上、カウンターまでお申し込みください。
また、今回の展示では、ベストセラーズ文庫とあわせて、ミリオンセラー絵本もご紹介しております。絵本は一般書のように、その年のベストセラーが発表されることはありませんが、毎年購入される絵本の3割ほどは、世代を超えて読み継がれてきた、いわゆるロングセラーだと言われます。これらのロングセラーの中でも、累積発行部数が100万部を超える作品をパネルにてご紹介しています。
 当館は1974年に「絵本展」を開催したのを契機に、原書とその翻訳書をベースとした「児童図書コレクション」を整備しました。近年は研究用の位置づけで、受賞作を中心に収集し、貸出も行っております。ミリオンセラーの絵本作品についても、全点を所蔵しています。こちらも、閲覧ご希望の方は、カウンターまでお申し込みください。 

(県立図書館職員:図書課展示担当)