資料の傷みはこうして防ぐ(1)-三つ目とじ

 県立図書館の資料には、永年保存に値するものが多数あります。でも、ただそのまま置いているだけではずっとは使えません。将来の利用者にも良好な状態で提供できるようにしておくために、「資料保存」は図書館の大切な仕事の一つです。
 「資料保存」には大きく分けて、【防ぐ・点検する・交換する・治す・捨てる】の5つの方法があります。今回は、その中の【防ぐ】方法についてご紹介したいと思います。
 資料が傷むのを【防ぐ】には、温度・湿度など、資料のおかれている環境を整えることや、酸性紙被害の拡散防止など、いろいろあります。その一つに、ホッチキスどめされている資料を針と糸を使ってとじ直す「三つ目とじ」という方法があります。
 ホッチキスの針をそのままにしておくと、長期間保存している間に錆びて、紙を汚すことがあります。また、針先で周囲の資料を傷める危険性もあります。それらを防ぐために行うのが「三つ目とじ」です。

糸の通し方

糸の通し方

[三つ目とじのやり方]
1. ホッチキス針を取り除く
2.資料を開いて中央の折り目に3か所、目打ちで穴を開ける    
3.麻糸で、図のようにとじ直す 

糸通し完了(背で結んで余りを切る)

糸通し完了(背で結んで余りを切る)

 ホッチキスどめの資料はもともと薄い冊子が多いのですが、そのままでは自立できないほど薄い場合には、厚手の中性紙のカバーを外側につけて、一緒に三つ目とじをすることもあります。そうすることで利用も保存もしやすくなります。

三つ目とじをした冊子(下は中性紙カバー付き)

三つ目とじをした冊子(下は中性紙カバー付き)

 また、小さな資料や折りたたみの1枚もの資料については、薄手の中性紙でポケットを作って厚手の中性紙カバーに貼り付け、その中に資料を入れる「ポケット・フォルダー」という方法をとることもあります。

ポケット・フォルダー図(右開き)

ポケット・フォルダー図(右開き)

 三つ目とじはとても簡単な製本方法で、当館の夏休みのイベントでは初めての小学生でもすぐにおぼえて帰ります。でも、これは図書館の資料保存の一端を担う小さなすぐれものなのです。

(県立図書館図書課)