私のオススメ本

『庭師が語るヴェルサイユ』 アラン・バラトン著

『庭師が語るヴェルサイユ』 アラン・バラトン著 原書房 2014年 資料番号:22744635 請求記号:235.05/140 OPAC(所蔵検索)

 フランス・ブルボン朝の最盛期を築いたルイ14世が、パリ郊外に造営した「ヴェルサイユ宮殿」。敷地面積は約1000ha。豪華絢爛な装飾と美しい庭園は1979年世界文化遺産に登録されました。
 
 その壮大なヴェルサイユの庭園がこんなにも人間味溢れる場所だったとは驚きでした。そう感じられたのは、学者でも好事家でもなく「庭師」が語るヴェルサイユだったからかもしれません。ふとしたことから庭園の庭師見習いとなり、以来その道一筋で歩んできた著者が、庭師の視点から様々なエピソードを語ります。幾多の歴史を刻んできたヴェルサイユ庭園ならではのエピソードは波乱に富んでおり、最後まで読者を飽きさせません。 続きを読む・・・

『コーダの世界 手話の文化と声の文化』 澁谷智子著

『コーダの世界 手話の文化と声の文化』 澁谷智子著 医学書院 2009年 資料番号:22374292 請求記号:369.27/275  OPAC(所蔵検索)

 「コーダ(CODA)」という言葉をご存じですか? コーダとは、「Children of Deaf Adults」の略で、耳の「聞こえない(ろうの)」親を持つ、耳の「聞こえる(聴者の)」子どものことをいいます。コーダは、生まれたときからろう者の世界と深くかかわりながらも、聴者の世界にも身を置く、二つの世界を生きるマイノリティと言えます。本書は、比較文化研究・社会学の研究者である著者が、コーダとその家族にインタビューしたエピソードをもとに書かれています。 続きを読む・・・

『文学問題〈F+f〉+』 山本貴光著

 
『文学問題〈F+f〉+』 山本貴光著 幻戯書房 2017 資料番号:22979009 請求記号:901/258  OPAC(所蔵検索)

2018年は「明治維新150年」という記念すべき年でした。当館でも「神奈川と明治 ~躍動する神奈川・明治新時代」と題したデジタルアーカイブを公開するなど、様々な取り組みを行いました。そんな明治時代を生きた日本を代表する作家に、夏目漱石がいます。今回は、彼の作品を論じた本をご紹介したいと思います。
 さて、突然ですが皆さんは「文学とは何ですか?」と問われたら、何と答えますか?なかなか難しい質問なのではないでしょうか。夏目漱石は英国留学から帰国し、東京帝国大学で講師をしていた時に、この「文学とは何か」について論じた講義を行いました。そしてその講義をもとに作成されたのが、『文学論』という作品です。
 本書では現代語訳などを交えながら、漱石の文学論を「読み直し」ます。その上で、それを「鵜呑みにする」のではなく、それを「手がかりとして私たち自身の文学の見方を確かめ、更新」しようとします。 続きを読む・・・