やさしい科学しんぶん  No.67(2015.9)

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知ってる?土木

   「土木(どぼく)」という言葉(ことば)、知(し)っていますか? 人がすむのに適(てき)した場所(ばしょ)をつくったり、生活(せいかつ)によい環境(かんきょう)をたもったりする工事(こうじ)をすすめるのが、土木の役目(やくめ)です。 道路(どうろ)や鉄道(てつどう)、港(みなと)やダム、上下(じょうげ)水道(すいどう)などの計画(けいかく)を立てたり工事をしたり、管理(かんり)なども行います。 みなさんも家や学校のそばで工事現場(こうじげんば)を見たことがあると思います。最近(さいきん)では、ダムやトンネルなどの土木施設(どぼくしせつ)の見学会(けんがくかい)なども行われています。
   今回は、私たちの生活に欠かせない土木についての本を紹介(しょうかい)します。

■ドボクの世界(せかい)はとっても広(ひろ)い!

   土木の仕事(しごと)は、人類(じんるい)の誕生(たんじょう)とともに始まりました。石を積(つ)んで橋(はし)をつくる技術(ぎじゅつ)は、何千年も前に生まれて、今も当たり前にいかされています。
   土木の世界(せかい)はとても広(ひろ)く、現在(げんざい)では、「都市(とし)・環境(かんきょう)・地域(ちいき)・社会(しゃかい)・基盤(きばん)・デザイン・まちづくり」などのキーワードと関係(かんけい)が深(ふか)くなっています。
   道をつくるのも、トンネルをほるのも、水や電気(でんき)を引くのも、土木の仕事です。こうしたものがあるので、私たちは便利(べんり)で快適(かいてき)に住(す)むことができ、さまざまな活動(かつどう)をすることができます。
   地上(ちじょう)を走っていた鉄道を、何年もかけてつくった地下(ちか)トンネルへ、たくさんの人が協力(きょうりょく)して一晩(ひとばん)のうちに切(き)り替(か)えてしまう大工事(だいこうじ)も土木の仕事です。
   土木は、人の暮(く)らしを支(ささ)えています。


ドボクって何?どんなことを学ぶの?どんな世界なの?といった疑問に74人の先輩たちがこたえてくれます。
『ようこそドボク学科へ』 監修/佐々木葉 出版/学芸出版社 2015年 請求記号510


■信玄(しんげん)や秀吉(ひでよし)は土木の力がすぐれていた!

   今からおよそ400~500年前、戦国時代(せんごくじだい)には、城(しろ)や道をつくったり、堤防(ていぼう)をきずいて橋をかける土木の仕事は、普請(ふしん)とよばれていました。
   甲斐(かい)(今の山梨県(やまなしけん))の武田信玄(たけだしんげん)は、観察(かんさつ)を重(かさ)ねて川の性質(せいしつ)を知り、それに応(おう)じて適切(てきせつ)な工事をおこない、甲斐の国の洪水(こうずい)をしずめることに力をつくしました。
   貧(まず)しい身(み)から天下一(てんかいち)の太閤(たいこう)までのぼりつめた豊臣秀吉(とよとみひでよし)は、戦(たたか)いや城(しろ)づくりに才能(さいのう)を示(しめ)し、城のまわりの町(まち)をととのえ住みよいところにしながら、町と町をむすぶ道をつくって、広い地域(ちいき)全体(ぜんたい)が栄(さか)えるような計画をすすめました。
   戦国の武将(ぶしょう)は、人が安心(あんしん)して住めるように田畑(たはた)や暮らしを守ることが一番大事だと知っていて、力を注いでいたのですね。


戦国のむかし、土木の仕事に特にすぐれていた武田信玄、豊臣秀吉、加藤清正の3人の業績を紹介しています。
『川を治め水と戦った武将たち(土木の歴史絵本 第2巻)』 作/かこさとし 出版/瑞雲舎 2004年 請求記号510


■トンネルは大昔(おおむかし)からあった!

   トンネルの歴史(れきし)は古(ふる)く、紀元前(きげんぜん)17世紀(せいき)ごろ、古(こ)バビロニア(現在のイラク)の首都(しゅと)バビロンで、ユーフラテス川の川底(かわぞこ)に、対岸(たいがん)の神殿(しんでん)へとつながる水底(すいてい)トンネルがあったそうです。
   むかしは手でほっていたトンネルですが、現在は、大型(おおがた)の機械(きかい)を使(つか)ったり、新(あたら)しい工法(こうほう)が活用(かつよう)されています。
   平成(へいせい)24年(2012)11月12日に全線開通(ぜんせんかいつう)した朝日(あさひ)トンネル(茨城県(いばらきけん))は、やわらかい地層(ちそう)とかたい地層が交互(こうご)にあらわれ、1メートル先にどんな地層が出てくるかわからない中で、 岩盤(がんばん)を爆破(ばくは)させて、山がくずれるのをおさえながらつくられました。
   羽田空港(はねだくうこう)に向(む)かって多摩川(たまがわ)の下を通るトンネルは、地上でつくったトンネルの箱(はこ)を海に沈(しず)めて、つなげてつくる方法(ほうほう)がとられました。
   トンネル工事には、最新(さいしん)の土木技術(どぼくぎじゅつ)が結集(けっしゅう)しています。


山の岩盤を爆破させてほりすすめる工事や、シールドマシンという機械でほりすすめる工事の現場が、大きな写真でわかりやすく紹介されています。
『見学しよう工事現場② トンネル』 監修/溝渕利明 出版/ほるぷ出版 2011年 請求記号510


■氷(こおり)でつくられた橋(はし)があったんだって!

   橋の材料(ざいりょう)は、時代(じだい)の移(うつ)り変(か)わりとともに、丸太(まるた)・石・レンガ・木材(もくざい)・鉄(てつ)・コンクリートと変化(へんか)してきました。いつの時代も、「じょうぶで」「材料が集(あつ)めやすく」「こわれにくい」ことがいい材料の条件(じょうけん)でした。
   北海道(ほっかいどう)のような寒(さむ)い地方(ちほう)では、氷を材料にしていたこともありました。丸太を何本か川にかけ、その上に松(まつ)やヤナギなどの枝(えだ)をしきつめて、雪(ゆき)を乗(の)せてふみ固(かた)めます。最後(さいご)に水をかけておくと、夜(よる)のあいだにカッチカチに凍(こお)った橋になりました。大きな馬(うま)でもわたれるほどのじょうぶな橋だったそうです。
   日本には、世界で一番長い吊(つ)り橋(ばし)の明石海峡大橋(あかしかいきょうおおはし)(兵庫県(ひょうごけん))や、手すりの「欄干(らんかん)」の部分(ぶぶん)がクジラの骨(ほね)でできている雪鯨橋(せつげいきょう)(大阪府(おおさかふ))など、さまざまな橋があります。いろいろな橋、調(しら)べてみるとおもしろそうですね。


身近な存在の橋には知らないこともたくさん。世界や日本の様々な橋の役割・構造や歴史について解説されています。
『世界の橋大研究』 監修/三浦基弘 出版/PHP研究所 2009年 請求記号515


■下水管(げすいかん)、水道管(すいどうかん)を全部(ぜんぶ)つないだら?

   道路(どうろ)の下には、毎日の生活に欠かせない水やガス、電気、通信回線(つうしんかいせん)などを通すための設備(せつび)や下水管(げすいかん)など、いろいろな管(くだ)がうまっています。
   日本の下水管を全部つなぐと、約45万キロメートルとなり、地球(ちきゅう)11周分(しゅうぶん)の長さになるそうです。水道管はさらに長く、約63万キロメートルで、地球15周分以上も!地球から月までの距離(きょり)が約38万キロメートルなので、どちらも月より遠くまで行けるほどの長さです。
   水道管や下水管などが地下にうめられている道路には、マンホールがあります。人がマンホールから地下におりて、地下の配管(はいかん)や設備を点検(てんけん)するためにあります。
   マンホールのふたには、都道府県(とどうふけん)や市町村(しちょうそん)でそれぞれ特色(とくしょく)があります。家や学校の近くで、いろいろなデザインのマンホールを探(さが)してみよう!


道路の下には何がうまっているのか?地下の利用方法、ひみつを大公開!
『大きな写真と絵でみる 地下のひみつ ②上下水道・電気・ガス・通信網』 監修/土木学会 地下空間研究委員会 出版/あすなろ書房 2014年 請求記号510


■工事現場(こうじげんば)で活躍(かつやく)するパートナー!

   山をきりひらいたり、土地を平らにしたり、地面(じめん)に穴をほったり、工事現場で活躍する大きな機械(きかい)つきの自動車(じどうしゃ)のことを「重機(じゅうき)」といいます。 人の手で行うと何十人も必要(ひつよう)な作業(さぎょう)を、重機ならばわずかな台数(だいすう)ですばやく終わらせることができます。
   大型(おおがた)ブルドーザーは、1回で約27トンの土をおしだすことができます。人が1回で約80キログラムの土を運ぶのと比べると、338回分の力です。
   パイルドライバーは約38トンの鉄(てつ)のかたまりを地上約30メートルの高さまでひきあげ、長いくいをとりつけて、重力(じゅうりょく)で一気にうめこみます。
   運転(うんてん)する人たちは、事故(じこ)が起こらないように注意(ちゅうい)して、安全第一(あんぜんだいいち)で作業をしています。重機は、土木の仕事の大事なパートナーです。


さまざまな役割をもつたくさんの重機を大きな写真で紹介しています。
『すごいぞ!!重機大集合 ①ブルドーザー・ドリルジャンボ・パイルドライバーほか』 作/ニシ工芸株式会社 出版/汐文社 2014年 請求記号513


■科学実験教室(かがくじっけんきょうしつ)を開催(かいさい)しました!

   8月1日に、小学生を対象(たいしょう)とした科学実験教室を開催しました。テーマは「ふちんしを作ろう」。浮(う)いたり沈(しず)んだりする小さな もののことを「ふちんし(浮沈子)」といいます。
   魚の形をしたタレビン(お弁当の中に入っている、しょうゆ・ソースなどが入った小さな容器(ようき))に思い思いの色をぬって、口におもりをつけ、しっぽの部分(ぶぶん)が少し浮くように水を入れます。それを水の入ったペットボトルに入れてペットボトルを押すと…
   魚が沈みました!手をはなすと魚が浮いてきて、子どもたちはびっくり!簡単(かんたん)な実験を通して、ものの浮き沈みの性質(せいしつ)を学びました。
   川崎図書館では、今後も科学実験教室を開催する予定です。次の教室もお楽しみに!