やさしい科学しんぶん  No.61(2012.3)

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世界にほこれる日本の技術

日本のものづくりの技術は、世界の注目の的!世界のいろんなところで日本の技術は活躍しています。日本にはどんな技術があるのでしょうか。調べてみましょう。

■今では国際食!日本で開発されたインスタントラーメン技術

  みんなも一度はインスタントラーメンを食べたことがあると思います。インスタントラーメンは、お湯があれば食べられる手軽な食事で、私たちの生活でもとてもなじみのあるものです。災害時には非常食として活躍し、世界の飢餓(きが)支援(しえん)では物資として送られています。最近では、宇宙食として宇宙飛行士の食事にもなりました。
  このインスタントラーメンを、世界でいちばん最初に開発したのは日本の会社です。この会社を作った人が、戦後のラーメン屋台の前にできた行列を見て、「もっとかんたんにラーメンを食べられないものか?」と思ったことから、インスタントラーメンの研究がはじまります。   屋台で使用する生めんはすぐにくさってしまい、日持ちしません。最初はめんがくさらないようにする研究からはじめました。研究を重ね、めんを油で揚げる方法で1958年に世界初のインスタントラーメンが発売されました。現在では、世界中で食べられており、日本を代表する食品になりました。

インスタントラーメンの研究が、どれほど大変だったのか。研究者の熱い思いが伝わります。
『世界を変えた日本の技術6-世界の食生活を変えた奇跡のめん-』文/上坂和美 出版/学習研究社 2003年 請求記号502

インスタントラーメンの他、日本を代表する食に関する技術についてわかります。
『世界にはばたく日本力 日本の食』編さん/こどもくらぶ 出版/ほるぷ出版 2009年 請求記号596

■日本に古くから伝わる技術が大活躍!634mの電波塔建設

  近年、東京都心部には、200mクラスの建物がたくさん建てられ、333mの東京タワーから送信する電波が届きにくくなるおそれがありました。そこで、東京タワーよりも高い電波塔が必要になり、高さ634mの自立式電波塔、東京スカイツリーの建設が決定しました。
  東京スカイツリーの建設では、自立式電波塔としては世界一になる高さ634mに挑戦します。その建築技術には、古くからの技術や最新の技術が使われています。
  東京スカイツリーの断面は、地面近くでは正三角形△に近い形をしています。高くなるにつれて丸みをおび、300m付近になると、断面は円形○になります。この三角形△から円形○になるふしぎな構造には、日本に古くから伝わる建築技法の「そり」と「むくり」という技術が使われています。三角形△には、日本刀のもつ「そり」を参考にし、円形〇に変化する部分には、奈良・平安時代に建てられた寺院の柱がもつ、中央がゆるやかにふくらんだ「むくり」を意識した構造になっています。
  内部には、直径約8m、高さ375mのコンクリートの柱があります。この柱は「心柱(しんばしら)」といって、日本に古くからある建造物の五重塔の技術を参考にしています。五重塔は、心柱(しんばしら)を中心にして建てられています。心柱(しんばしら)と5層の屋根とは直接つながっていません。そのため地震のときには、心柱(しんばしら)と5層の屋根がそれぞれちがう動きをして、ゆれをやわらげます。多くの五重塔は、1000年以上もの間、地震の影響をうけず、現在まで形を残しています。これも心柱(しんばしら)のおかげといえます。

東京スカイツリーの建設過程がよくわかります。
『見学しよう工事現場1 タワー』監修/溝渕利明 出版/ほるぷ出版 2011年 請求記号510

東京スカイツリーのひみつものっています。
『まるごとわかる!地デジの本 地デジのためにできた電波塔』作/マイカ 出版/汐文社 2011年 請求記号547

■海の下も掘ってしまう日本のトンネル技術

  日本のトンネルの歴史は、江戸時代初期に作られた水路のトンネルがはじまりといわれています。このころは機械もなく、人の力でトンネルを掘っていました。掘る技術はどんどん進化し、海の下にもトンネルを作れるほどになります。1942年に完成した、山口県と福岡県を結ぶ関門(かんもん)トンネルは、世界初の海底トンネルです。1988年には、全長53.85kmの、北海道と青森県を結ぶ青函(せいかん)トンネルが、24年もかけて完成しました。日本で開発された「泥水(でいすい)加圧式(かあつしき)シールド工法」という掘る技術は、今では世界中のトンネルで使用されています。

ドーバー海峡を掘る機械を完成させるまでのおはなし。
『世界を変えた日本の技術5 ドーバー海峡を掘ったモグラマシン』文/田中舘哲彦 出版/学習研究社 2003年 請求記号502

アクアラインのできるまでがくわしくわかります。
『東京湾をつなぐ 次世代技術を育んだ「アクアライン」プロジェクトの軌跡』文/赤池学 出版/太平社 1998年 請求記号558

■広い宇宙を7年も旅をしたはやぶさの技術

  小惑星(しょうわくせい)探査機(たんさき)はやぶさは、2003年5月9日に打ち上げされ、2010年6月13日に地球に帰ってくるまで、7年もの間宇宙を旅していました。はやぶさのミッションは、地球から3億キロ離れた小惑星イトカワから、岩のかけらを地球に持ち帰ることでしたが、はやぶさは見事にイトカワからかけらを持ち帰りました。
  はやぶさが地球に帰ってくるまでには、迷子になったり、燃料がもれてしまったり、エンジンが止ってしまったりと、いくつものトラブルがありました。このトラブルを乗り越え、地球に帰ってこられたのは、事故や故障などのあらゆる場合を想定し、それに対処できるような高い技術がはやぶさにそなわっていたからです。日本人は外国人にくらべ、危機(きき)管理(かんり)意識(いしき)がとても高く、そなえも最大限に準備します。はやぶさが奇跡の生還を果たしたのは、日本の技術者のそなえのたまものです。

はやぶさが語る7年間の冒険記録。いくつものトラブルを乗り越え、無事地球に帰ってきたはやぶさのものがたりです。
『「はやぶさ」がとどけたタイムカプセル -7年、60億キロの旅-』文/山下美樹 監修/的川泰宣 出版/文溪堂 2011年 請求記号538

■まだまだある日本の技術!当館所蔵の資料を紹介します

旧石器時代の人間が道具を使い始めたころの話から、現代の高速鉄道や宇宙開発など最新技術の話まで、日本の技術の歴史がわかりやすく書かれています。
『日本のもと 技術』 監修/山根一眞 出版/講談社 2011年 請求記号502

『世界にはばたく日本力』シリーズは、宇宙・鉄道・環境・食・住・医療・コンピュータなど各分野での日本の技術を解説。また、世界で活躍する日本人も紹介しています。コンピュータでは、インターネット回線の技術や、携帯電話について解説されています。
『世界にはばたく日本力 日本のコンピュータ・IT』編さん/こどもくらぶ  出版/ほるぷ出版 2010年 請求記号547

今ブームの工場見学が、本でも楽しめます。身近なものがどのように作られているか、DVDもついていて、映像で楽しく工場見学ができます。
『工場見学大百科』 編/成美堂出版編集部 出版/成美堂出版 2011年 請求記号509

  今から約100年前、ライト兄弟が人類初の有人(ゆうじん)動力(どうりょく)飛行(ひこう)を成功させました。その後、研究を重ね、現在では飛行機を利用しての旅行は日常になりました。また、約50年前に人類は初めて宇宙へ行きました。宇宙技術は日々進歩しているので、数年後には宇宙旅行が当たり前になるかもしれません。様々な技術が発展してこられたのは、技術者たちが失敗してもあきらめず、挑戦し続けたからといえます。
  ネコ型ロボットでおなじみのドラえもんは、2112年9月3日生まれ。ちょうど100年後には誕生しているはず?漫画の世界の話ですが、もしかしたら現実になるかもしれませんね。では、また次号!