サイエンスカフェ結果報告(第27回)

神奈川県の警報・注意報

テーマ神奈川県の警報・注意報
ゲスト澁江 昇さん(横浜地方気象台)
日時2011年11月17日(木)15:00~17:00

<内容>

会場の様子

  今回のサイエンスカフェでは横浜地方気象台の澁江昇さんをお招きして、「神奈川県の警報・注意報」をテーマに開催しました。
  科学が進歩した現在でも、天気は人類の思い通りにできません。台風などの気象災害から身を守るために、気象警報・注意報はとても重要です。平成22年5月27日からは気象警報・注意報は市町村毎に発表されるようになり、神奈川県内は気象情報と共に横浜地方気象台で発表しています。神奈川県内の警報・注意報の種類や基準値など解説を交えてお話していただきました。

1 防災気象情報とは?

・気象とは大気中に生じる自然現象。
・気象観測とはある時点の天気、気象要素を観察し測定すること。
・天気予報とは気象観測の成果に基づいて、大気現象を予想し、防災や生活上の情報として提供すること。
・防災気象情報とは天気予報や気象観測のデータを基にして発表する気象情報、気象警報・注意報など。
・防災気象情報の目的は自治体や関係機関の防災活動を支援することと、住民の自主的な防災行動を支援すること。

2 警報と注意報とは?

・警報…重大な災害の発生のおそれ(7種類 大雨、洪水、大雪、暴風、暴風雪、波浪、高潮)
・注意報…災害のおそれ(神奈川県では14種類 大雨、洪水、大雪、強風、風雪、波浪、高潮、濃霧、乾燥、雷、着水氷、着雪、霜、低温)
・警報・注意報のほかに、神奈川県気象情報、記録的短時間大雨情報、竜巻注意情報などの気象情報がある。

3 川崎市の警報・注意報の基準値

・平成22年5月27日以降、警報・注意報の発表基準値は各市町村等ごとに設定している。
・神奈川県内の基準値の詳細は気象庁のホームページを参照。

4 基準値について(その1)

・雨量…大雨警報(注意報)や洪水警報(注意報)を発表する際の基準となる。
・解析雨量…レーダーと雨量計のデータから降水量の詳細な分布を解析したもの。(雨量計のない地域の降水量も分かる)
・降水短時間予報…30分間隔で、6時間後までの降水量を予測したもの。
・大雨警報(注意報)…基準値以上の雨が降ると予想される時や、土壌雨量指数の基準値以上が予想される時に発表。大雨警報のみ状況に応じて、大雨警報(土砂災害)、大雨警報(浸水害)、大雨警報(土砂災害、浸水害)のように発表される。
・土壌雨量指数…地中にしみこんでいる水がどのくらい貯まっているのかを示す指数。
・土砂災害…地中にしみこんでいる水が多いうえに短時間に集中して雨が降ると、土砂災害が発生しやすく、規模も大きい。雨が止んでから土砂災害が発生する場合もある。雨量だけでなく、地質、斜面の傾き、植生など関係する。
・流域雨量指数…河川流域の雨量をもとに、下流の地域にどれだけ影響を与えるかを指数化したもの。

5 防災気象情報の発表の流れ(大雨の例)

・日前…観測データ等から、大雨の可能性が高くなると判断→大雨に関する気象情報を発表(発表しない時もある)
・半日~数時間前…大雨の可能性が強くなる→大雨注意報、雨の状況や予想を適宜発表
・数時間~2時間前…大雨警報を発表、期間、予想雨量、警戒を要する事項などを示す
・大雨が一層激しくなる…刻一刻と変化する大雨の状況を気象情報として発表
・記録的な大雨出現…記録的短時間大雨情報を発表、数年に1度の大雨を観測した場合
・土砂災害発生の危険性が高まる…土砂災害警戒情報を都道府県と気象台(東京は気象庁)が共同で発表

6 気象台(東京は気象庁)が共同で発表する防災気象情報

会場の様子

・土砂災害警戒情報…大雨による土砂災害発生の危険がある時、市町村長が避難勧告等を発令するための判断や自主避難の参考となるよう、都道府県と気象台が共同で発表する。
・(指定河川)洪水予報…気象庁台が発表する洪水警報(注意報(洪水警報)とは別に、あらかじめ指定した河川の流域を対象に、洪水やはん濫による災害に対する警戒の情報を河川管理者と共同で発表する。

7 基準値について(その2)

・風速…10分間の平均風速。暴風警報、暴風雪警報、強風注意報、風雪注意報の発表の基準となる。
・最低気温は低温注意報の基準値に、最少小湿度と実効湿度は乾燥注意報の基準値になる。
・波の高さ…波の一番下(谷)から一番上(山)までの高低差のこと。
・波浪…風によって引き起こされる波のことで、うねりとは風の影響がなくなった場所まで伝わった波のこと。
・有義波高…ある地点で観測される波の高いほうから順に全体の1/3の波を選び、これらの波高を平均したもの。波浪警報(注意報)の基準になる。
・潮位…基準面(京湾平均海面、基準面は海抜0mとも言い標高の基準ともなっている)から計った海面の高さのこと。高潮警報(注意報)の基準値となる。(離島では、水準測量で結ぶことが出来ないので、代わりに現地の平均潮位を基準に用いている)

8 様々な気象庁の資料(気象台ホームページの紹介)

・気象庁のホームページ(http://www.jma.go.jp)
・横浜地方気象台のホームページ(http://www.jma-net.go.jp/yokohama/)
・国土交通省防災情報提供センター携帯電話サイト(http://www.mlit.go.jp/saigai/bosaijoho/i-index.html)

9 竜巻注意情報

・竜巻注意情報とは積乱雲の付近で発生する竜巻、ダウンバースト等による突風に注意を呼びかける情報。予想は難しいが、情報が発表されると竜巻が起こる可能性が高まる。


参加者の感想(アンケートより)

・本日のお話で気象用語の意味がよくわかりました。警報が出たら微妙なところは注意して行動した方がよいと判断しました。人は天の力には勝てませんもの。素直に従うのが安全と考えられるように思います。科学の力も細かいデータをえられます。経験を得た人の感というのもかなり信頼できることもあるように思います。
・今年は特に防災、気象に関して非常に最大関心を持ちました。気象庁の台風等、適切な指示を信頼しておりますが、我々も日々勉強していかなくてはいけないですね。
・住民の求める災害情報を発信者側は一元的に的確に発信できるのか問題。(気象台だけの問題ではないが。)
・参考になりました。HPで今後もチェックします。

関連情報

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